2005年 10月 31日
一瞬のローマ |
わたしのスタジオの通りは、ピカソが描いた娼婦たちで有名な”アビニョンの娘たち”の、アビニョン通りとぶつかる。
その角には、古いアパートが建っていたけど、もう20年以上も誰も住まないまま、放置されてたらしい。それが、今年になって、突然工事が始まり、建物が崩された。
こちらの建物は、それぞれがぴったりとくっついてるので、一つを崩すと、となりの建物のかくれていた外壁がむきだしになる。
そこに、くずした方のか、残った方のか、階段の跡や、床や天井の線、はりの跡などが、くっきりと見える。まるで、大きな舞台セットのようだ。
がれきをとりのぞいた跡地は、工事の都合だろうか、そのまま何週間もほったらかしになっていた。
その間に、どうやったのか、想像もつかないけど、そのむき出しになった新たな壁の、地上6メートル以上の所に、ある日大きなスプレーペイントのイラストがあらわれた。
突然に出くわす空き地と、その大きな絵は、道行く人の足をとめ、みんなが写真をとるようになった。
そのうち工事が再開し、地面の掘り返し作業が始まった。
じつは、私はこれを心待ちにしてた。
なぜなら、地面からあるものが出てくることが、わかっていたからだ。
それは、ローマ時代の遺跡。
はるか昔に、ローマ人たちは、はるばるバルセロナを含め、スペインまでやってきて、様々な遺跡をのこした。
市場もあれば、店もあり、邸宅もあり…
その後の経緯は、よくわからないけど、そういった古い歴史は、徐々に土に埋まり、新しい世代の人々は、その上にあたらしい建物をつくった。
バルセロナの、特に中心街の地下は、こうした遺跡でいっぱいなのだ。
ときに、ものすごく貴重な遺跡があらわれた場合、工事を中止して、それを保存し続けたり、一般に公開したりすることもある。
そして今回の工事でも、やっぱり期待通り、ローマが顔を見せたのだった。
網で囲まれた工事現場をのぞいてみると、歴史研究家のような人々が、何人もしゃがみ込んで作業している。
掘り返された地面からは、石で作られた幾つかの部屋の跡のようなものが見える。
何百年もたった、2005年に、この部屋たちは、本当に久しぶりに、お日様の光を浴びたのだ。
最近になり、どうやら調査は終わったらしい。
現場には、再びブルドーザーが入り、ローマはまた、土の中に戻ってゆくことになる。
そしてその歴史の上には、来年か、さ来年には、新しいホテルが建っているだろう。
その角には、古いアパートが建っていたけど、もう20年以上も誰も住まないまま、放置されてたらしい。それが、今年になって、突然工事が始まり、建物が崩された。
こちらの建物は、それぞれがぴったりとくっついてるので、一つを崩すと、となりの建物のかくれていた外壁がむきだしになる。
そこに、くずした方のか、残った方のか、階段の跡や、床や天井の線、はりの跡などが、くっきりと見える。まるで、大きな舞台セットのようだ。
がれきをとりのぞいた跡地は、工事の都合だろうか、そのまま何週間もほったらかしになっていた。
その間に、どうやったのか、想像もつかないけど、そのむき出しになった新たな壁の、地上6メートル以上の所に、ある日大きなスプレーペイントのイラストがあらわれた。
突然に出くわす空き地と、その大きな絵は、道行く人の足をとめ、みんなが写真をとるようになった。
そのうち工事が再開し、地面の掘り返し作業が始まった。
じつは、私はこれを心待ちにしてた。
なぜなら、地面からあるものが出てくることが、わかっていたからだ。
それは、ローマ時代の遺跡。
はるか昔に、ローマ人たちは、はるばるバルセロナを含め、スペインまでやってきて、様々な遺跡をのこした。
市場もあれば、店もあり、邸宅もあり…
その後の経緯は、よくわからないけど、そういった古い歴史は、徐々に土に埋まり、新しい世代の人々は、その上にあたらしい建物をつくった。
バルセロナの、特に中心街の地下は、こうした遺跡でいっぱいなのだ。
ときに、ものすごく貴重な遺跡があらわれた場合、工事を中止して、それを保存し続けたり、一般に公開したりすることもある。
そして今回の工事でも、やっぱり期待通り、ローマが顔を見せたのだった。
網で囲まれた工事現場をのぞいてみると、歴史研究家のような人々が、何人もしゃがみ込んで作業している。
掘り返された地面からは、石で作られた幾つかの部屋の跡のようなものが見える。
何百年もたった、2005年に、この部屋たちは、本当に久しぶりに、お日様の光を浴びたのだ。
最近になり、どうやら調査は終わったらしい。
現場には、再びブルドーザーが入り、ローマはまた、土の中に戻ってゆくことになる。
そしてその歴史の上には、来年か、さ来年には、新しいホテルが建っているだろう。
by sidoredo
| 2005-10-31 09:06
| 日々